昨今の少子化の影響を受けて、各大学、特に私大に関しては新入生の確保に躍起になっていると言われています。
しかしながら同時に、様々な理由から逆に医学部を希望する人が増え、特に私立大学医学部では高倍率が続いているのが現状です。
●なぜ医学部が人気なのか。
少子化によって、大学に入学する人数は減ったものの、医学部では志願者が逆に増えています。
知らない人の中には医学部は他の学部よりも難易度・授業料共に高く、そこまで人気がある学部だという認識がないかもしれません。しかし、現在ではかなりの人気を博しています。それはなぜでしょうか。
まず一番の理由は、日本の経済状況の悪化が考えられます。
医者という仕事は、国試によって国家に身分を保障され、また平均収入が一般の職業より高く、更には人間がこの世にいる限り需要のなくならない職業だからです。
そのため、これまで東大や京大などの難関大学の一般理系学部を目指していた人たちが、医学部に志望校を変えてきています。
都心であれば、国立大学を卒業し、大企業本社や外資系企業に勤める“年収1億超のスーパーサラリーマン”や高級官僚がゴロゴロいるのですが、地方では、たとえ東大を出ても活躍の場がないというのが現実です。そのため、東大・京大の一般学部よりも、地方大学でも国公立医学部へ、というのが今のトレンドなのです。「俗に言う東大離れ」というものです。
また、現在受験生を抱えている親御さんは、バブル期の就職売り手市場から“氷河期”といわれる就職多難時代への急速な社会変化を経験し、その後の年功序列、終身雇用の壊滅を目の当たりにしてきました。学生時代の就職ランキング上位の一流企業でさえ破綻し、自らもリストラや早期退職の恐怖を体感している世代なのです。そんな社会状況から、「企業の肩書きをとっぱらった時に自分に何が残るのか」と自問し、「資格」の必要性を痛感しています。「わが子には食いっぱぐれのない職業を」という親の切なる願いがそこにはあると思います。弁護士でさえ、司法試験には合格したけれど、就職先がない、報酬の自由化によって収入が安定しないといった状況を見ると、同じ苦労をするなら医師の方が良いと思う人が増えるのも無理はないかもしれません。
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